雇い入れ時の健康診断について
当院ではこれまで、健康診断は採用内定を出した後に受診させていましたが、今後は採用内定を出す前に行い、結果が良好な者のみ採用したいと考えています。問題はないでしょうか?
使用者には採用の自由が保障されており、その判断材料を得るために、必要に応じて、応募者の情報調査等を行うことは認められています。
労働契約では労働者に対して一定の労務提供を求めることになるため、使用者は、応募者が労務提供を行うことができる身体的条件を備えているかどうかを把握する必要があり、その目的のために必要な範囲内で健康診断を行うことに問題ありません。
しかし、選考過程における健康診断で検査をすることができる項目に関しては、以下の通り、一定の制約が課せられています。
- 個人情報保護の観点からの制約
職業安定法では、使用者は、その業務の目的に必要な範囲内で応募者の個人情報を収集し、使用しなければならないとされています。
また、法律で義務付けられている雇い入れ時の健康診断は、労働者の適正配置、採用後の健康管理に役立てることを目的としており、選考過程での健康診断とは目的が異なります。
従って、選考過程において、雇い入れ時の健康診断と同一の項目を一律に検査させることはできず、検査をすることができる項目は、あくまで労務提供を行うことができるかどうかを把握するために必要なものに限られます。 - 就職差別防止の観点からの制約
就職差別防止の観点から、社会的差別の原因となる応募者の個人情報を収集してはならないとされています。 - プライバシー権保護の観点からの制約
例えば、HIVやB型肝炎ウイルス等の一定の感染症に関しては、検査の必要性と本人の同意がない限り、検査項目とすることは認められません。
(2016-04-18 / O.M)