採用面接における不適切な質問とは、どのようなものでしょうか。
当院では現在、採用活動を進めており、連日にわたって応募者との面接を行っています。先日、面接を終えた応募者のご家族の方から、「応募者が不適切な質問をされたと訴えている」との苦情が寄せられました。採用面接における不適切な質問とは、どのようなものでしょうか。
使用者には、原則として採用の自由が保障されており、採否の判断材料を得るために、必要に応じて、応募者の情報調査等を行うことが認められています。
しかし、これは無制限に認められるものではなく、近年はプライバシー保護の観点からも、その範囲に制約が設けられています。
採用面接での質問が適切かどうかのポイントは、シンプルに表すと、「その質問が、入職後の職務を鑑みて、応募者の適性、能力を見極めるために必要なものであるかどうか」ということになります。
不適切な質問の典型例としては、以下のものが挙げられます。
- 本籍に関する質問
- 住居とその環境に関する質問
- 家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
- 資産に関する質問
- 思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
- 男女雇用機会均等法に反するもの
もし不採用とした近隣の応募者が、後日になって採用面接の際に不適切な質問があったとの噂が流したら、クリニックの経営問題にも発展する可能性があります。採用面接は院長先生だけでなく現場の役職者が行うこともあるため、どのような質問が不適切とされるのか、あらかじめク確認、共有しておくことが求められます。
(2016-02-15 / O.M)