買取価格を工夫することにより承継希望者が見つかった成功事例
標榜科目 | 内科 |
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立地条件 | 都心のビルテナント |
持分の定めのある医療法人の第三者への承継では、後継者が前理事長から持分を買い取って理事長を交代するのが一般的です。
前理事長は、持分の売値は1億円と考えておられました。高額の条件であったため、魅力的な医院ではあるものの当初は中々買い手がつきませんでした。
そこで、前理事長が退職金5,000万円(税務上適正額)をとることを条件にし、医療法人で5000万円の借入(新理事長が個人保証)をして退職金を支給しました。
退職金は医療法人の経費になるため、その事業年度は赤字となりましたが、赤字は法人税の計算上9年間繰り越すことができるため、承継後の黒字と通算できます。また承継後も非常勤の理事として、3年間残ってアドバイスをすることにし、年間報酬を1000万円(以前の半分以下の金額)にしました。
この条件で売買金額を純資産と同額の2000万円にしたところ、承継希望者がすぐに見つかりました。
前理事長が受け取るのは1億円ですが、退職金5000万円と理事報酬1000万円×3年の計8000万円は医療法人の経費となり、新理事長にとっては承継後の医療法人の節税になります。
資金も新理事長が個人で用立てるのは2000万円だけで、残りの8000万円は医療法人での調達です。
しかも個人での借入に対する利息は経費になりませんが、医療法人の借入に対する利息は経費になります。
買取価格を工夫することにより後継者にメリットを出すことができたため、承継希望者を見つけることができました。