建築の設計と施工を分離することによるメリット
標榜科目 | 消化器内科 |
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立地条件 | 住宅地の戸建 |
クリニックの建築工事の場合、設計施工で一括発注する場合、設計と建築工事を分離する場合がある。建築工事において設計士が医療設計に精通している場合には設計と施工を分離するとメリットが出てくる場合が多い。
まずクリニックの建築工事の場合には予算的に3000から8000万円程度の建築コストで建てる場合が多いのだが、建築業者をコンペ(相見積り)にすることにより各業者間で300から800万円程度の差が出てくるケースが多い。なぜこのようなことが起こるのか?理由はいくつかある。
たいていの場合、ドクターが分厚い建築の見積書に目を通して内容を把握することは困難であろう。単純に表紙の金額を比べる場合が多いのではないか?しかしクリニックにとって必要であろう設備が見積に入っておらず金額が安い場合はどうであろうか?当然施工中もしくは施工後に追加金額を支払うことになる。
設計と施工を分離した場合には設計者がドクターの立場に立って見積を精査することになる。見積書の中で漏れている項目はないか?過剰に見ている部分はないか?単価が相場以上に高いものはないか?これらを精査することにより各建築業者間の見積書が同じ条件の上で比較できることとなる。
ここで金額が予算と合わない場合でもクリニックとして開業するうえで支障のない範囲でドクターと相談しながら設計士が使用材料を再検討したり、設計を変更する。そうすることにより「より良いものをリーズナブルな価格で」が実現する。
建築工事が始まってからも同じで、ドクターの立場に立って手抜きはないか?指示と違う材料や形状のものが使用されていないか?特に工事後に見えなくなる壁の内側や天井裏なども事前にチェックをする。
建築の設計施工を一括発注の場合には設計側と施工側が同じ立場にあるので、甘えが出やすい場面が出てくることが予想される。大手のメーカーやゼネコンなどであればこのようなことは少ないが、レベルの低い建築業者がいることも否定できない。
クリニックの建築を頼む場合にはしっかりしたバックグラウンド、会社の規模、施工実績を踏まえ検討を行うことをおすすめする。