業者選定の重要性
標榜科目 | 小児科 |
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立地条件 | 都心(全改修工事) |
ある開業支援を行っている医療関係機関の担当責任者から相談が入りました。
相談内容は下記のようなものでした。
開業中のドクターより、残りの人生をかけて改修を行いたいという依頼を受け、設計・施工業者を紹介した。
当初は紹介した業者の設計士に対してドクターも信頼して発注をし、3週間の休診期間を設けフルリニューアルを行った。
しかしその後、紹介した設計・施工会社と先生がトラブルになっており仲介して欲しいとのことでした。
トラブル実態を掌握するために開業支援担当責任者がクリニックにおもむき内部を確認し唖然としたとのことでした。内覧会を明日に控えているのにかかわらずいたる所で工事中。
工事不良箇所100箇所強を次々に案内され何も言えず帰ってきたとのことでした。
その場しのぎで内覧会は行ったもののドクターのお怒りは最高潮。開業支援を行っている機関で費用負担してもよいので助けてほしいとの依頼でした。
そこで掘り下げて聞いてみると、紹介した設計・施工業者はクリニック施工経験はなく、途中の打合せ等の報告も一切なく、不安を感じたがそのまま工事に入ってしまったので任せていたとのことでした。
そこで私どもが行ったのは、
- 図面の把握と工事内容の把握
- 工事工程の把握
でした。
図面や工事内容には大きな問題はなく、一番の問題は工事工程にありました。
100箇所を超える不良箇所の殆どが未完成であり、修復可能との報告を行う事により開業支援担当者より設計・施工業者に手直しの指示を行って頂くことを進言いたしました。
結果、双方同意の上、補修工程を作成し工程にのっとり工事が完了致しました。
その後、開業支援担当者よりいくつか相談したが具体的に問題点を指摘し、ドクターにとって一番よい選択肢を指示してくれたのは当方のみでしたと、感謝いただきました。
今回の事例で踏まえるべき要点は2点あります。
- 診療期間内の工事にもかかわらず工程をしっかり踏まえず工事に着手している。
(工事から診察準備の期間を一切とらえていない) - 経験の少ない業者にもかかわらず開業支援担当責任者の業者任せの放任姿勢
(不安を感じたがそのまま工事を任せた)
多くの機関で開業支援機関での対応はさまざまですが、選ぶ側の責任がとわれという事例であります。