医院開業の心得
開業を志す先生にいつも最初にお話することがあります。
それは、開業とは一国一城の主になれる反面、開業後の責任は全て経営者である先生自身に掛かってくるという事です。
その様に考えることにより、失敗を最小限にすることが出来るのです。
開院時は予想もしなかった事が起こりがちで、その度に責任の所在をどこかに押しつけている様では成功がおぼつかないどころか、経営者としての成長も望めません。
また、タイムリーな次の一手も打てなくなります。
ですので、まずは『すべての責任は我にあり』という事を肝に念じて下さい。
つぎに、開業したい理由を明確にしてください。
先生に「何故、開業したいのか」と質問をすると
- 病院勤務に疲れた
- もっとお金を稼ぎたい
- もっと自分の時間が欲しい
- 自分のやりたい医療を実践したい
- 地域医療に貢献したい
など明確な答えが返ってくればいいのですが、「なんとなく漠然と」と具体的な理由が返ってこない時もあります。
それともう一つ、「どんなクリニックを作りたいですか」という質問もします。
皆さんも是非一度、自問してみて下さい。
「自分は何故開業したいのだろうか?」「開業する時は、どんなクリニックを作りたいのだろうか?」
どうです?明確に答えられますか?
開業理由や将来の目指すべき医院のイメージが無ければ、それは行く先の分からない難破船で大海原を漂うのと同じです。
これでは不測の事態に右か左かの決断を下す事もできないし、働いてもらうスタッフに対して、医院が求める職員像を伝える事も出来ません。
これでは、職員のスキルアップも図れません。
上記の点を明文化したものが『経営理念』となり、『経営理念』に沿って行動する事が「行動指針」となります。
しっかりした『経営理念』があれば多少の困難があっても迷わず行動でき、問題解決までのスピードが各段早くなります。
是非、明確な『開業動機』を持って、しっかりとした『経営理念』を作って下さい。
また、『経営理念』あれば融資審査でも金融機関に好印象を持ってもらえ、良い条件ので融資を引き出せる場合もあります。