目次
医院・クリニック開業の診療方針や経営基本計画の策定
医院・クリニックの開業地の選定について
医院・クリニック開業の資金調達について
医院・クリニック開業準備について
医院・クリニック開業当日について
医院・クリニック開業の診療方針や経営基本計画の策定
開業のための具体的な行動は以下の通りです。
- 診療方針の決定(開業コンセプト)
- 経営基本計画の策定
上記二つをわかりやすく言い換えれば、「何を、どのように患者さんに提供するのか」を決定する作業です。
それぞれについてご説明していきます。
診療方針の決定(開業コンセプト)
「自分がどのような医院・クリニックを目指すのか、どのような医療を患者さんに提供していきたいのか」が診療方針になります。
例えば、「なぜ開業したのか」、「どういう診療をしたいのか」などから自分の開業への気持ちを一度考えてみましょう。
「世の中の患者さんをたくさん救いたい」といったポジティブな理由や、「大病院の人間関係が疲れたから」といったネガティブな理由まですべて洗い出しましょう。
このように、医師を志したときの気持ち、医療に対する考え方、自分の人生観などを軸に培われたご経験を踏まえて一度紙に書きだしていくと良いでしょう。
経営基本計画の策定
開業するにあたって、経営基本計画の策定をしなければいけません。診療圏調査をもとにどの程度の規模の診療所を作るのか、そのための必要資金などを計算します。
「開業後の事業の推移はどのようになるのか」などを具体的に検討していくのです。
経営基本計画は開業の全体像を具体的な数字として掴むことを目的としています。経営基本計画があるのとないのとでは、医院・クリニックを経営していくための資金面の具体的な計画の立てやすさに影響を与えてきます。
一人では、経営基本計画を策定できない場合は医院開業コンサルタントなどのサポート機関に手伝ってもらうと良いでしょう。
医院・クリニックの開業地の選定について
診療方針・経営基本計画の策定を通して、「何を、どのように患者さんに提供するのか」や、経営の計画がある程度固まってきたら、次は「開業地の選定」です。
開業地の選定は患者さんの集客に大きな影響を及ぼしてくるため、非常に重要なポイントです。
仮に、開業地を適当に決めてしまい、そのまま準備を進めていったとします。しかし、途中で開業地の立地が良くないことに気づいて、改めて開業地の選定をはじめると今までの準備が水の泡になりかねません。
例えば、今後の日本は人口減少と高齢化を避けることができないのにもかかわらず、高齢者ばかりの地域に開業してしまうと、10年後、20年後に患者さんがほとんどいないということになり、廃業に追い込まれる可能性があります。
このように開業地の選定に失敗しないために以下のような段取りで準備を進めていくと上手く開業地を選定できるためおすすめです。
- 開業形態を決める
- 立地条件を決める
- 開業地選びのコツ
それぞれの開業地の選定の段取りについてご説明していきます。
開業形態を決める
医院・クリニックには以下の4つの開業形態がございます。
- テナント
- 戸建
- 建て貸し戸建
- 戸建(定期借地権)
それぞれについてご説明していきます。
テナント
テナントとは、一般の事務所ビルあるいは商業施設や医療ビルに入居する方法のことです。
テナントを選ぶメリットは、他の開業形態と比べて比較的に開業費用が安くなることです。
開業費用を少しでも抑えたい方はテナントを考えてみると良いでしょう。
戸建
ご自身の土地を個人で所有している場合に多いのが、戸建開業です。身内の土地を譲り受けたり、ご両親が医院・クリニック経営をされていらっしゃる場合は引き継いだりすると良いでしょう。
ただし、戸建の開業は開業費用が非常に高くなるため、しっかりした事業計画と余裕をもった資金を事前に準備しておかなければなりません。
また、身内の土地を借りるなどする場合は、契約形態など十分な注意が必要となってくるため、一人ではどうしようもない場合は医院・クリニック開業のコンサルタントに頼ってみると良いでしょう。
建て貸し戸建
建て貸し戸建とは、入居者が希望する建物を地主さんに建ててもらう方法です。保証金を払い、建築費用を月々の賃料から返済していきます。
初期投資を抑えつつ、自由度の高い診療所を手に入れられ、駐車場付きの戸建開業も可能です。自己資金が少ない場合は建て貸し戸建をすると良いでしょう。
ただし、医院・クリニック経営がうまくいかなくなって、途中解約しても15年程度は違約金の支払いが命じられることが多いため、家賃は支払い続けることになります。
定期借地権戸建
定期借地権戸建とは、土地を借りて開業する方法です。戸建の購入や建て貸し戸建に比べて開業費用が圧倒的に安くなります。
借りている土地であるため、契約期間中は医院・クリニック経営を行えますが、契約期間が過ぎると更地にして、持ち主へ返還しなければなりません。
自己資金が少なく、初めての開業の場合は定期借地権戸建で医院・クリニック経営し、その後に契約期間に合わせて、戸建で新たに開業することが一般的です。
立地条件を決める
立地条件を決める際に重要なポイントが以下の通りです。
- 立地を決める前にするべきことをする
- 都心で開業する(都心型)
- 郊外で開業する(郊外型)
それぞれについてご説明していきます。
立地を決める前にするべきことをする
開業してしまうと立地は簡単に変更ができませんので、良い立地の物件や土地を見つけても、すぐに決めてしまうのではなく、周辺の調査を綿密に行うようにしましょう。
周辺の競合施設の有無や、診療範囲、見込み患者数や地域の将来的な人口の推移などを調査する他、建物や内装などに関するプランの検証やコスト面においては、事業計画などの検証も並行して進めていく必要があります。
都心で開業する(都心型)
交通網が発達しており利便性が高く、潜在的な患者数が多い反面、土地や家賃などの相場も郊外と比べて高い傾向にあります。
その他、周辺に競合施設が存在する可能性も高いので、施設としての明確な強みを打ち出さなければなりません。
郊外で開業する(郊外型)
都心と違い交通の利便性は悪いですが、土地や家賃などの相場も安く、競合施設も少ない傾向にあるのと、地域的に車社会の為、比較的広いエリアからの集患が可能です。
ただし、郊外で開業するデメリットとしては、求職者が少ない可能性があるのでスタッフ採用が難しいのと、将来的な地域人口の減少なども考えられます。
開業地選びのコツ
開業選びのコツは以下の通りです。
- 開業希望エリアの人口や年齢構成について調べる
- 開業希望エリアの人の動きを調べる
- 交通機関を調べる
- 競合医院・クリニックを調べる
それぞれについてご説明していきます。
開業希望エリアの人口や年齢構成について調べる
開業希望エリア周辺の人口が多いかどうかは開業後に医院・クリニックに来てくれる患者さんの数に直結します。そのため、人口は非常に重要な要素です。
また、開業希望エリアの年齢構成もしっかり調べておきましょう。10年後、20年後になって患者さんの数が一気に減少するなんてこともあり得ます。
結果的に、廃院に追い込まれるようになってしまってはいけません。厚生労働省が発表するデータなどを参考にし、1日当たりの患者数を計算しておくと良いでしょう。
あらかじめ開業希望エリア周辺の市場調査をしておくことは非常に重要です。必ずチェックしておきましょう。
開業希望エリアの人の動きを調べる
開業希望エリアの人口や年齢構成の確認が取れたら、エリア内のどこに医院・クリニック開業をするべきか悩むことでしょう。
そういう時は、実際の人の動きや流れを観察しておくと良いです。なぜなら、開業希望エリアが人口・年齢構成が希望通りだとしても、誰も通らないような通路だと誰も医院・クリニックには来ないからです。
どの道が学生をよく見る道路で、どの道が高齢者層の使う道路なのかなどを実際に見に行くと良いでしょう。
交通機関を調べる
人々の主な移動手段を調べておくことは失敗しないためにも必要不可欠です。なぜなら、専門性の高い医院・クリニックだと、一つの地域のみでは集客が十分ではないことがあるからです。
最寄り駅が乗り換えられる駅なのかどうかで患者さんの数も変化していきます。専門性が高く、患者数も多く見込めないような場合は、幅広い地域からの集客が必要になるので、交通機関の状況をしっかり調べておきましょう。
競合医院・クリニックを調べる
競合医院・クリニックを調べておくことで、現状の人口に対して十分な医院・クリニックがあることが分かります。
もし、十分に医院・クリニックがあることが分かれば、別の地域での開業、もしくは他と違ったサービスの提供を行わなければならないでしょう。
一方、実際は地図に載っている医院がすでに廃院になっている、既存の医院・クリニックの医院長が高齢で診療対応を減らしているなどの場合はチャンスです。
すでに廃院になっている場合は、地域の医院・クリニック数が十分になっていない可能性があります。また、医院長が高齢の場合は「継承」という形で閉院後の設備を借りる、もしくは購入することができます。
開業希望エリアにちょうど良い物件があるかどうかは運次第ですが、開業コンサルタントにお得な情報が集まっていることがあるため、一度相談してみてはいかがでしょうか?
医院・クリニック開業の資金調達について
「診療方針の策定」、「開業地の選定」と同時進行にしておくべきことは、資金調達です。医院・クリニック開業していくためにはお金が必要になってくるので、非常に重要な準備です。
具体的には銀行から融資を受けることがほとんどですが、「何にお金が掛かるのか」など資金の使い道について知っておかなければなりません。
そこで、ここでは以下のことをご説明していきます。
- 必要な開業資金の目安とは
- 融資してくれる金融機関の選定
- 親族からの借入資金について
必要な開業資金の目安とは
医院・クリニック開業に必要な資金の目安は以下の通りです。
- 内装設計施工費用…3,000万円程度(55坪を想定)
- 保証金…賃料の8~10か月程度
- 医療機器の購入費用…2,000万円~3,000万円程度
- 広告宣伝費、医師会入会金等…700万円~1,000万円
- 運転資金…1,500万円~2,000万円程度
上記の内容のうち医療機器の購入代金に関しては、リース契約を結ぶのが一般的であるため、初期費用として考えなくても構いません。
実質、5,000万円程度あれば医院・クリニック開業がスムーズに行えるでしょう。
融資してくれる金融機関の選定
融資してくれる金融機関は非常に様々です。例えば、政府系金融機関、メガバンク、地方銀行などが融資先として考えられるでしょう。
金融機関から融資を受けるためには、融資担当から「この人になら融資しても大丈夫」と思わせなければなりません。
そのためにも、収入の見込みや経営計画書などを提出し、論理的に計画を納得してもらわなければなりません。
金融機関から融資を受けるのには並大抵のことでは難しいと考えられます。一人では難しいことは、医院・クリニック開業のコンサルタントに手伝ってもらうとスムーズにいくのでおすすめいたします。
親族からの借入資金について
親族からの借入資金の場合、その返済前に税務調査が入ると、贈与とみなされ、調査後に多額の贈与税が課税されかねません。
たとえ親族からの借入であっても、一般的な借入と同様にする必要があります。そのため借入側(開業医)と貸付側(親族)でしっかり法律に従わなければなりません。
借入側(開業医)の注意点
借入側(開業医)の注意点は以下の通りです。
- 借入期間は数年間に渡るものであること(親族の年齢から考えて長すぎるものは不自然)
- 市場利率を参考に利率が採用されていること(低利率でも可)
- 金銭消費貸借契約書の作成(借り入れ条件、金利、返済方法、保証人、担保の有無を明確に)
しっかりチェックしておきましょう。
貸付側(親族)の注意点
貸付側(親族)の注意点は以下の通りです。
- 同一生計親族(家計が同じ)でない場合
受取利息を雑所得として確定申告
- 同一生計親族である場合
(借入側)支払利息を費用として計上できない
(貸付側)受取利息を所得に計上する必要はない
返済方法は、口座振替にし、記録を残す方法が望ましいです。また、返済が長く滞っていると、実質は贈与を受けたものとみなされ、贈与課税される恐れが高くなりますので、契約通りの返済を心がけましょう。
親族からの借入については、税務調査の際に見られるポイントになりますので、注意しましょう。
医院・クリニック開業準備について
「診療方針の策定」、「開業地選び」、「資金調達の準備」のすべてが終われば、次に医院・クリニック開業準備に取り掛かります。
開業するには以下のことをしっかり押さえておくこと良いスタートダッシュを切ることができるでしょう。
- 内装工事
- 医療機器の選定
- スタッフの募集
- 効果のある広告宣伝の計画(集客)
- 医院・クリニック開業に必要な手続きについて
- 開業届以外に関する手続きについて
それぞれについてご説明していきます。
内装工事
物件が確定したら、内装工事のために施工会社に発注をします。内装に関しては医院長の好みによりますが、基本的にはイメージカラーをもとに壁紙や床材の提案をしてもらえます。
ご自身の好きな色を選ぶのも良いですが、診察室や処置室に関しては、患者様に落ち着いた印象を与えるため、壁紙や床材は白や木目調をベースに、診察机や患者様用のイスにアクセントをつけるのが良いかと思います。
また、防音対策として診察質の待合側壁面に「グラスウール」というガラス繊維の綿上の素材を仕込む方法がおすすめです。
その他にもトイレの設計をどうするかなども決められるため、患者さんがどのように医院・クリニック内を利用して頂けるのかを想像しながら、内装工事を進めていくと良いでしょう。
医療機器の選定
日々の診療やクリニック運営の固定費に大きく関わってくる重要な過程です。
診療方針や費用対効果、スペースにより導入可能なもの、資金時な部分も考慮しながら、導入機器の優先順位をきちんとつけて、開業時から導入するもの、開業後に運営が軌道にのってから導入するもの、しっかり計画をたてておくことが必要です。
開業時は何かと資金がいるので、可能な限り金額的にも新品の約半額で購入できる中古品の導入をおすすめします。
電子カルテなど最新のソフトウェアが重要な機器は別ですが、エコー・心電計・電動ベットなどは中古品でスタートして、ある程度の患者数が見込める段階で新品に買い替える事を考えていくと良いでしょう。
また、他の医院・クリニックと差別化する為に、高額の医療機器を揃えたほうがいいのか迷うかもしれません。
しかし、初期投資が莫大になることから経営の観点で高額な医療機器ばかり購入するのはあまり良くありません。
医療機器での差別化を考える前に、ソフトな面での差別化をまずは考えてみましょう。医療機器に関しては後々購入することも可能です。
スタッフの募集
開業の準備にスタッフの募集をしましょう。スタッフ募集には以下の通りです。
- 開業の際に必要なスタッフを採用する
- 採用面接では質問には注意する
それぞれ簡単にご説明していきます。
開業の際に必要なスタッフを採用する
その診察時間あたりに提供している医療サービスの量(何人の医師で診察するのか?診察時間は?リハビリや検査・処置は?待合等の集客人数は?)により必要なスタッフ数も変わりますし、来院する患者さんの数によっても変わってきます。
まずは自院で提供する医療サービスにはどのような専門職の方が必要で、時間当たり何人のスタッフで対応するのが良いかを検討してみましょう。
時間あたりのスタッフ数が決まれば、その必要な人材の配置を常勤で配置するのか、パート等で配置するのかを決定し、採用予定人数を仮に設定します。
求人を出しても想定した時間どおりに配置できるとは限らず、臨機応変な対応が必要になってきます。
追加でスタッフが必要になれば、臨機応変に求人広告などを活用していきましょう。
採用面接では質問に注意する
スタッフ面接は、限られた時間内で応募者の人柄を見分けなければなりません。医院長は、面接の雰囲気を良くして、応募者から色々な情報を聞き出す必要があるためできる限り多くの質問を投げかけ、多く話をしてもらう必要があります。
面接に不慣れな先生は、愛想や履歴書の職歴などで決めてしまい、採用してから思っていた人と違うと後悔されることもあります。また、面接時に不適切な質問をして、求職者からクレームをうける事例もあります。
面接時に、面接者である先生が聞いてはいけない質問は下記のとおりです。
- 本籍に関する質問
・あなたの本籍地はどこですか。
・あなたのお父さんやお母さんの出身地はどこですか。 など
- 住居とその環境に関する質問
・あなたの住んでいる地域は、どんな環境ですか。
・家の付近の目印となるのはなんですか。 など
- 家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
・あなたのお父さんは、どこの会社に勤めていますか。また役職はなんですか。
・あなたの家の家業はなんですか。
・あなたの家族の年収はどれくらいですか。 など
- 資産に関する質問
・あなたの住んでいる家は一戸建てですか。
・あなたの住んでいる家や土地は、持ち家ですか、借家ですか。 など
- 思想・信条・宗教・尊敬する人物、支持する政党に関する質問
・家の宗教は何ですか。何宗ですか。
・あなたの家族は、何を信仰していますか。
・政治や政党に関心がありますか。
・あなたは、どんな本を愛読していますか。 など
- 男女雇用機会均等法に抵触する質問
・結婚、出産しても働き続けられますか。
・何歳くらいまで働けますか。
・結婚の予定はありますか。 など
就職差別につながる恐れのある不適切な質問は避けることが一番です。本人に責任のない事柄や本来自由であるべきものを採用条件とすることは、求職者の基本的人権を侵害するということを理解し、差別のない公正な採用選考を実施しましょう。
効果のある広告宣伝の計画(集客)
広告については、様々な媒体があります。ホームページの作成、Google広告、Yahoo!広告などです。Web広告はテレビCMなどと比べると費用が安く非常におすすめです。
その他、オフライン広告として駅看板・野立て看板・折込広告・地域コミュニティー誌・電話帳などの広告が存在します。
上記の中から自院がターゲットとする患者層にはどれが適しているのかを見極めるようにしてください。
- 若くて体力のある人を雇いたいならWeb広告のみを利用する
- 患者さんが自院に来てほしいなら新聞などのオフライン広告も積極的に利用する
あくまでも例ですが、上記のように広告を使い分けることができます。
弊社のクライアントの来院動機の調査では、「半数以上の患者さんがホームページを見て」と答えています。
しかし、直接検索でホームページを見に来たのか、それとも誰かに紹介された後や駅看板を見た後にホームページにたどり着いたのか、そのルートまではっきりしません。
そこで、ホームページの作成はマストとして、今年の診療報酬目標に対して広告費用をいくら使えるのかの費用を明確にし、その予算の範囲内で効果的だと思う広告媒体に費用投下し、1年毎に効果を検証し、媒体を変更したりあるいはもう広告は必要ないとなれば広告費用を削減したりと、フレキシブルに費用対効果を考えながら広告を出すことが大切です。
費用対効果についてはボーダーラインの判断がしにくい部分です。お考えの事業計画に沿った効果的な広告、エリアや方法など、医療機関に強いデータベースを持った専門業者にご相談をすることをおすすめ致します。
医院・クリニック開業に必要な手続きについて
医院・クリニック開業に必要な手続きの流れは以下の通りです。
- 医院・クリニックの開業届の届出
- 税務署への届出
- 指定医療機関コード取得(保険診療を行う医院・クリニックのみ)
- 労働保険の手続き
- 社会保険の手続き
- 医師会への入会届
- 防火管理講習の受講
医院・クリニック開業に必要な手続きは「保険医療機関」に指定されるために必ず申請をしなければなりません。もし、「保険医療機関」に指定されないと保険診療が適用されずに自由診療となるため注意が必要です。
また、開業届と指定医療機関コードが取得していないと、診療行為すら許可されないため開業をする際は、ご紹介した手続きは必ず行いましょう。
開業届以外に関する手続きについて
医院・クリニック開業する際には開業届を提出するかと思いますが、開業届以外にも保健所に届け出る許可手続きとして、以下のような書類を届け出なければなりません。
※ただし、設備や診療内容に応じてその他資料の提出を求められる事もございますので、開設届提出前に管轄の保健所に確認される事をお勧め致します。
- 開設者(管理者)の医師の臨床研修等修了登録証・免許証の写し
※但し、保健所には本証も提示下さい。
- 開設者(管理者)の履歴書
※これまでの職歴と、診療所を開設した旨を記載してください。
尚、顔写真を貼付してください。
- 土地の登記事項証明書
※2通のうち1通は写しでもかまいません。
※発行後6ヶ月以内のものに限ります。
- 建物の登記事項証明書
※2通のうち1通は写しでもかまいません。
※発行後6ヶ月以内のものに限ります。
- 賃貸借契約書の写し(必要に応じて)
※土地または建物を貸借場合は、賃貸借契約書の写しを添付して下さい。
※転貸による契約の場合は、所有者の転貸に関する承諾書または同意書などが必要です。
- 敷地周囲の見取図
※道路と建物の位置関係がわかるもの。
- 敷地の平面図
※ビル内に開設する場合は、その階の平面図。
- 建物平面図
※縮尺100分の1以上のもの。
※ベッド・機器類の配置、各室の用途とその面積を記入。
- エックス線診療室放射線防護図(エックス線診療室を備える場合)
※平面図及び立面図。
※縮尺50分の1のものとし、壁及び鉛の厚さを記入。
保健所の手続きをする際はしっかりチェックしておきましょう。
医院・クリニック開業当日について
待ちに待った開業当日がやってきました。今までしっかり準備してきた方なら何も問題なく診療を始めることができるでしょう。
地域に住んでいる患者さんのために良いお医者さんとして活躍していきましょう。