クリニック開業-成功のための「物件選び」2つのポイント
クリニック開業-成功のための「物件選び」2つのポイント
開業を考えるにあたり、最初に悩むことといえば、「どこで開業したら成功できるのか?」ということに他なりません。
立地でもっとも重要なのは、標榜される診療科目の患者さまが多く集まる場所を選ぶことです。
開業してしまうと立地は簡単に変更ができませんので、その地に根付いて理想の医療を提供していけるかどうかを慎重に吟味しなければなりません。
今回は、成功のための2つのポイントについてご説明させて頂きます。
①立地条件
開業地には、大きく分けて「都心」と「郊外」といった選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で立地を決めていきましょう。
都心型
交通網が発達しており利便性が高く、潜在的な患者数が多い反面、土地や家賃などの相場も郊外と比べて高い傾向にあります。
その他、周辺に競合施設が存在する可能性も高いですので、施設としての明確な強みを打ち出さなければなりません。
郊外型
都心と違い交通の利便性は悪いですが、土地や家賃などの相場も安く、競合施設も少ない傾向にあるのと、地域的に車社会の為、比較的広いエリアからの集患を望むことが可能です。
但し、郊外で開業するデメリットとしては、求職者が少ない可能性があるのでスタッフ採用が難しいのと、将来的な地域人口の減少なども考えられます。
立地を決める前にするべき事。
開業してしまうと立地は簡単に変更ができませんので、良い立地の物件や土地を見つけても、すぐに決めてしまうのではなく、周辺の調査を綿密に行うようにしましょう。周辺の競合施設の有無や、診療範囲、見込患者数や地域の将来的な人口の推移などを調査する他、建物や内装などに関するプランの検証やコスト面においては、事業計画などの検証も並行して進めていく必要があります。
②開業形態
開業形態は、主に戸建型・テナント型の2つがあります。
戸建型の場合
戸建型は比較的、郊外で開業する時に多いスタイルです。
戸建型のメリットとしては、テナントと比較するとレイアウトの自由度が高いのと、面積に余裕があれば、広い専用駐車場をセットで設けられるといった点です。
初期投資としては、戸建型の方が高くなる傾向にはありますが、土地のオーナー様に建ててもらった建物を借りるといった「建て貸し」スタイルも存在しますので、立地的が良くて、周りにテナントの空きがない場合などは検討してみて下さい。
テナント型の場合
テナント型の開業スタイルは都心部で多く見受けられますが、駅前などの好立地を選べば患者さまの数も増え、戸建型に比べて賃料を安く抑える事も可能です。
但し、テナント型で開業する場合は、戸建型と違いテナント区画の面積や形状などに制約がかかる他、設備的(電気容量・水回りなど)に問題ないかを事前に検証しておく必要がありますのでご注意下さい。
その他、テナント型でも医療モールで開業するといった方法もあります。
最大のメリットとしては、幾つかの診療科目が同じ建物に入居しますので、ある程度の相乗効果が見込めるのと、通常は調剤薬局も併設されますので、患者さんにとっての利便性も高いです。
その他、建物的にも医療施設が対象となっていますので、設備等(電気容量・水回りなど)に関しても、事前に想定をされていますので、安心です。
(2019-11-26 / T.H)