症状がないのに特異的IgEが陽性に出るのはなぜ?また、症状があるのに特異的IgEが陰性になるのはなぜ?
症状がないのに特異的IgEが陽性に出るのはなぜ?また、症状があるのに特異的IgEが陰性になるのはなぜ?
症状の発現には、特異的IgEの存在(感作)のほか、アレルゲンの曝露量、化学伝達物量の量、患者さんの状態などの因子が関与します。これらの条件が揃った時に症状発現を起こすと考えられます。そのため、特異的IgEが陽性であっても、症状が出ない場合があります。
症状があるのに特異的IgEが陰性になる原因としては、例として以下が考えられます。
①特異的IgEが関与していないアレルギーである。
②局所では特異的IgEが存在し症状を起こす条件が揃っていても、血中の特的IgEが十分に上昇していない。(幼児では低い抗体価でも症状が出るため、注意が必要です)
③問診では患者の主訴に頼ることが多い為、疑われたアレルゲンが原因アレルゲンではない。
※アレルギー性疾患の診断では、問診が非常に重要です。季節性の有無、発症場所等でアレルゲンを絞り込むことが出来ます。しかしアレルギー症状があり、特異的IgE検査を実施した結果、陰性となる例は10%程度あると報告されています。
(2021-07-30 / M.N)