継承開業のメリット・デメリット
「新規開業」はゼロから医院を立ち上げる為、自分の希望する立地に思うままの内装や機器を導入する事が可能ですが、その代わり多くの開業費が必要で、患者さんが固定化し経営が成り立つまで、平均6ヶ月~3年程の期間を要しますのでその間の運転資金が必要になってきます。
「継承開業」は、医院を前院長から譲り受けて経営を引き続き行う為、最大のメリットとして患者さんをそのまま引き継ぐ事が出来るという点が挙げられます。初月度からおおよその診療報酬の予測がつき、医院を継承してすぐに経営が黒字になる事もあります。
医療機器などもそのまま使え、初期投資が少なくすむのもメリットです。
このように書くと「継承開業」に欠点はないように聞こえますが、立地を選べないのはもちろんの事、引き継いだ医院が開院後数十年数が経過していて、内装などがかなり古くなっている場合が多く、バリアフリー対策なども取られてないケースがほとんどです。また、譲り受けた医療機器も性能的に現在の製品と比べて見劣りしますので、先生自身が望むような医療を、患者さんに提供できない事があるかもしれません。
開業をお考えの先生と面談している時に多くある質問の一つが「新規開業と継承開業はどちらが得か?」といった質問です。
先述した通り、新規開業・継承開業そのどちらにもメリットとデメリットは存在します。
私たちはその質問に対しては、「どちらの開業が損か得か、また良いか・悪いかという事ではなく、先生ご自身が目指す診療スタイルや規模などのイメージを膨らませ、理想の医療を実践する為にはどちらの開業スタイルが向いているのか、という一点を判断基準にして下さい。」とお答えしています。